ユニバーサルデザインのログホーム

ユニバーサルデザインのログハウスについて考えてみました。
発端はひょんな事から知り合いとなった、米倉仁さんという方との出会いからです。
米倉さん(以下Jinさん)は別府市にあるユニバーサルマンションのアイディアマン
ユニバーサルデザインのコンサルタントでもあります。

ユニバーサルデザインと言えばバリアフリー、バリア・・・うーん
最初私は難しく考えてしまいました。
ログハウスはその構造上ノッチという木の交差部が壁から突き出してしまう構造
そもそもそれがバリアじゃないか・・・
Jinさんの話によれば、そんな事は大したバリアではないとの事で一安心
ただ角は丸く削っておいた方が良さそう

ログハウスは、湿気によるログの腐朽を防ぐ為に高床にするのがセオリー
通常は数段の階段を登ってもらうよう設計する、普通の家よりははるかに高い床レベル
ちなみに現在ウチの標準にしている室内の床レベルはGL+704だ
しかし、よく考えてみれば今迄に作って来たログにだってスロープを設けたりして
乳母車のお年寄りや身障者の人達が使えるようにして来ていたことを思い出した。

  
東京の物売店鋪、道路から敷地が下がっている事を逆手に、道路側からスロープと手摺を設けた。
入り口はドアだがこれは開店時には開放される、内側に自動ドアがつけられているのだ。


山中湖のホンカデザインセンターは設計段階から建物を低くしている。
全面に蓄熱式床暖房を設置しているのでぶ厚いコンクリート基礎と床が一体になっている。
雨の返しは芝生の植栽や樋で対応できる。
また建物デッキ側方にウッドスロープも設置してある。

こっちの方が分りやすいですね。スロープ部は当然溝掘りされています。


ちなみにデザインセンター全景、左端にスロープ、右側が玄関
スライドドアを設ける事で、車イスの方でも自分で開閉できるように出来ますね。


室内はタイル床、全面床暖房なので冬はポカポカ夏はヒンヤリ
タイルなのでモノをこぼしたりしても拭くだけ。
奥の玄関を見て分かる通り、バリアフリーです。手前右に見えているように
マットを敷く事で区別するようにすればよいのです。
このスタイルに慣れると日本の玄関の存在って・・?と思うようになります。
フィンランドでは「いきなりリビングに入る」スタイルは少なくありません。


室内のドアはアンダーカットのバリアフリータイプを選べるので問題無し。
ユニバーサル仕様だとドアは引戸タイプにすれば良しですね。
それよりも出来るだけ仕切らない方がベターな様です。
ログは元々建物全体を暖めたり冷やしたりするので、冷暖房の心配はありません。
エアコンも鉄筋並に利きます、総じて冷暖房はエコ仕様なのです。

ユニバーサルマンションの見学でポイントの一つキッチン
最近はシルバー向けに座って調理できるキッチンが各メーカーから出そろっていますね。
既製品を使えない方には、右のようにオリジナルで作ってしまう方法も
見えにくいですが、ミニシンク下部は開放されています。火元もIHなら安心。
ログの場合、給排水は床から持ってくるので
キッチンの高さも調節できるようにしようと思えば出来ます。
更に付け加えると、吊り戸棚はあっても役に立たないので低い収納が必要ですね。


ユニバーサルマンションで一番印象深かったのがトイレの独特な仕様
これも木で作っているログならどうにでも出来てしまう・・・

どうせなら洗面所と一体化してみたらどうだろう?
トイレだけで広いスペースは勿体無い、日本人は嫌がるけど欧米には多いトイレ洗面一体スタイル
正面の影にトイレならば、つい立て部分で車イスから這って行けるように出来る
手摺をつけてもそんなに野暮ったくならない。
洗面台はこんなタイプは使いにくいですね。

つい最近採用したTOTOの既製品、シングルレバーだし水栓はUPするし
引き抜いてシャワーにもなる。車イスでも朝シャン出来る便利な洗面台。


ついでに業務用のシンクの家庭版?低めに付ければ様々な用途に使えます。
特にちょっとした洗濯や野菜を洗ったりするのに便利な奴です。

洗濯機は今流行りだした斜ドラムもまぁまぁだけど、やっぱり普通のドラム
でしょうね。乾燥機も付いてるので洗って乾かせば干さなくて済む。
電気代?電化住宅ならオール電化契約で夜11時以降は8円/kwh程度
タイマーでやりましょう、食器洗機もね。


お風呂ですが、ユニバーサルマンションのそれは普通のお風呂にスノコ床で
カサ上げしているタイプ、今時のユニットバスは浴槽が半分埋設なので?と思いました。
ログの場合、設置レベルは自由に代えられるのでバリアフリータイプのUBを
使う事も可能。クリックシャワーは問題無し。

電気関係ではコンセントの高さは任意で出来るし、分電盤やインタホンもしかり。

ログにマッチするある程度気密の採れる玄関引戸が見つかれば特に大きな障害はなさそうです。
ホンカの窓はドレーキップ(内倒し内開き窓)なので開閉はレバーアクションだし施錠も一緒
車椅子で外開きの窓は開閉しにくいからどうしても引違いになってしまう、でも引戸は気密性
が高くないから冷暖房の効率はダウンしてしまう。

結論

ユニバーサルデザインのログハウスは今直ぐにでも建てられます。
シックハウスとは無縁
・常に木の温もりを感じる事が出来るリラックス出来る環境
・室内で結露しません
不便を感じたら如何様にも改造できる適応の良さ
ぜーんぶ木ですからどごでも釘打てるし棚もつけられる
・イニシャルコストは相応にかかるけどランニングコストが安く抑えられる
・ログは普通に注文建築なので、ユニバーサルにするにあたり割増費用とか掛かりません
・地震にはメチャ強いし、火にも強い、イザという時に十分な避難の為の時間が得られる建物です

複層構造にしにくい建物なのでマンションタイプには不向き
郊外に戸建てとか集合住宅タイプですね、二階建てなら二階は健常者向けにしたり
ヘルパーさんが住むのが最もベター、長いスロープの設置でもOK

全国どこからでもお問合せお待ちしております

更に遊び

組立式の小上がり4畳半、当然作り付けにも出来る
高さを車椅子から移動しやすい高さで作れば、ゴロリと横になれるスペースが
車椅子がドッキングしやすいように形状を代えて、必要ならサポートの手摺も付けられます。
ベッドでなく布団で寝たいという要望にも応えられます。
下部は収納として作る事も出来ます。ただヘルパーさんでないと開閉が難しいかも。

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